【比較】ApacheとNginxの単価相場の差と特徴の違いを解説
今回はWebサーバーとして有名な『Apache』と人気急上昇中の『Nginx』の違いについて解説していきます。
- ApacheとNginxのそれぞれの特徴は?
- ApacheとNginxの特徴の違いは?
- ApacheとNginxのシェア率やトレンドの差は?
- ApacheとNginxの単価相場の差は?
などの疑問に応えられるよう紹介していきますので、ぜひ参考にしてみて下さい。
目次
Apacheとは
まずはApacheとはなにか?その他特徴など解説していきます。
Apacheとは、Apacheソフトウェア財団の支援により開発され、1995年に登場したオープンソースのWebサーバーです。
今数あるWebサーバーの中で最も使用されていると言われており、機能の拡張性が高く、動的コンテンツの処理能力の高さに定評があります。
またLAMP環境のAは、Apacheを指しているなど非常に人気のWebサーバーで、正式名称は、Apache HTTP Server(アパッチ エイティーティーピー サーバー)です。
Apacheについてもっと詳しく知りたい方はこちら
Apache案件の単価相場とこれまでの単価の動向 | freelance-attack
Webサーバーとして最も使用されていると言われる『Apache』。今回はApacheの特徴やApache案件の単価相場、平均単価、単価年推移などデータを交えながら解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
Apacheのメリット
- オープンソースのWebサーバー
- 豊富な実績
- CMSとの相性が良い
- 環境に依存しないマルチプラットフォーム
- 動的コンテンツの処理速度が速い
- モジュールの使用による拡張性の高さ
Apacheは、オープンソースのWebサーバーですので基本無償で活用することができ、20年以上第一線で活躍している豊富な実績があります。
また人気のCMSであるWordpressに使用されており、CMSとの相性も良いです。(厳密には、CMSによく使用されるプログラミング言語のPHPやDBとの相性)
LinuxやWindows、Macなど様々な環境に対応できるマルチプラットフォームのWebサーバーで、動画などの動的コンテンツの処理能力は高いです。
さらにモジュールの使用により、機能の拡張がしやすいなど、様々なメリットがあります。
Apacheのデメリット
- 無保証
- 大量の処理に不向き
豊富な実績があり、多くの情報量がありますので、気にしすぎる必要は無いですが、Apacheは、オープンソースですので無保証という欠点があります。
また同時接続に弱く、大量のアクセスに対してのリクエストを処理することには向いてはいません。所謂、C10K問題は発生してしまう可能性がApacheにはあります。
Nginxとは
続いてNginxとは何か?特徴などを解説していきます。
Nginxは、Nginx社により開発され、2004年に登場したオープンソースのWebサーバーです。
Apacheで発生するC10K問題を解決するWebサーバーとして登場し、現在シェア率は急上昇中で、Apacheに次いで2番目と言われております。
Facebookやメルカリなど大手企業に採用されている実績を持ち、2019年には日本市場に参入するなど、注目されるWebサーバーです。
Nginxについてもっと詳しく知りたい方はこちら
Nginx案件の単価相場とこれまでの単価の動向 | freelance-attack
Webサーバーとして今人気が集まっており、多くのWebサーバーとして使用されている『Nginx』。今回はNginxとは何か?特徴やNginxの単価相場、平均単価、単価年推移などデータを交えながら解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
Nginxのメリット
- 高負荷に強い
- 高機能
- 高速で軽量
- 高い柔軟性
Nginxは、非同期型のイベント駆動アーキテクチャという動作方法を採用しています。これにより同時接続にも十分対応でき、C10K問題を解決してくれます。
また非同期型のイベント駆動アーキテクチャであることや、リバースプロキシやロードバランサといった機能があるなどにより、高速での処理が可能となります。
さらに機能がモジュール化されているので、自由に機能を追加・削除できる柔軟性があります。
Nginxのデメリット
- 動的コンテンツの処理に向いていない
- Nginx単体での活用は難しい
- 日本語の情報量が少ない
Nginxは、同時接続には強いものの動的コンテンツの処理に関してはやや弱いです。少量であれば問題はないですが、それが大量となると大きくパフォーマンスが低下します。
またNginx単体での活用は難しく、他Webサーバー併用する形が望ましいWebサーバーです。
2019年に日本市場に参入してはいるもののまだまだ日本語のドキュメントが多いという状況ではありません。
ApacheとNginxの違い
それでは、まずはApacheとNginxの特徴の違いについて解説していきます。
それぞれのWebサーバーとしての特徴の違いはこの4つです。
- 動作方法
- 処理能力
- 同時接続
動作方法
ApacheとNginxとでは、動作方法が違いそれにより大きな差があります。
Apacheは『マルチプロセスのプロセス駆動アーキテクチャ』を採用しているのに対して、Nginxは『シングルスレッドモデルのイベント駆動アーキテクチャ』を採用しています。
Apacheのマルチプロセスモデルの場合、1つのアクセスに対し、1つのプロセスを割り当て処理をするため、同時に多くのアクセスがあった場合には、レスポンスの低下に繋がってしまいます。
しかしNginxのシングルスレッドモデルの場合、複数のアクセスに対し、1つのスレッドで処理をするため、同時に多くのアクセスがあった場合でも問題なく処理することが出来ます。
このようにApacheとNginxでは動作方法が全く違います。
処理能力
ApacheとNginxの処理能力は、ケースによって優劣があります。
動的コンテンツなどの重たい処理の場合はApacheの方が優れており、静的コンテンツなどの軽量なものの処理であればNginxの方が優れています。
これは動作方法の違いによるものですが、CPUリソースを大きく消費する処理に対して向き不向きがあります。
同時接続
同時接続への対応は、Nginxの方が優れています。
これも動作方法の違いによるものですが、NginxはApacheの10~100倍ほどの同時接続に対応できると言われています。
ApacheとNginxのシェア率
ApacheとNginxのシェア率の差はこのようになっています。
シェア率 | |
Apache | 36.3% |
Nginx | 32.5% |
Apacheのシェア率は36.3%で、Nginxのシェア率は32.5%となっており、若干Apacheの方が高い状況です。
元々はApacheの方が圧倒的に高いシェアがありましたが、今は約4%ほどの差しかなく、段々と差が縮まっている状況のようです。
ApacheとNginxのトレンド推移の比較
Googleトレンドを使い、ApacheとNginxのトレンドを過去5年間にさかのぼって比較してみます。
まず日本でのトレンド比較です。

基本的にはApacheの方が高い傾向ではありますが、緩やかに右肩下がりの傾向にあり、Nginxは、基本的に横ばいの傾向にあります。
結果、ApacheとNginxとのトレンドの差は減ってきている状況です。
次は世界的に見たApacheとNginxのトレンド比較です。

世界で見るとApacheとNginxのトレンドは、逆転している結果になっています。
元々はApacheの方が高く大きな差がありましたが、2018年後半から2019年前半にかけてNginxの方が高くなってきています。
シェアでは若干Apacheの方が高いですが、トレンドで見るとWebサーバーは、ApacheよりもNginxの方が優位になってきているようです。
ApacheとNginxの単価相場の比較
こちらはApacheとNginxの案件の単価相場の比較です。

Nginxは70万円台が単価相場となっており、それに対しApacheは60~70万円台辺りを単価相場としています。
単価相場に関しては、大きな差はないものの若干Nginxの方が高い傾向にあります。
ただ60万円台以下と80万円台以下の差でみると開きがあり、60万円台以下は、Apacheの方が割合としては高く、80万円台以上はNginxの方が割合としては高いです。
総合的に単価という面で見るとNginxの方が良い結果になっています。
ただこれはあくまで割合での差となっており、案件の数で見るとまだまだNginxよりもApacheの方が多い状況です。サーバーエンジニアとして案件を獲得するという点では、Apacheの方が良いでしょう。
最後に
ApacheとNginxについて、それぞれの特徴を踏まえ、様々な違いについて紹介してきました。
それぞれに適したユースケースがありますし、またApacheとNginxを併用するケースも多々あります。
特徴た違いをしっかり把握し、適切なWebサーバーを選択しましょう。ぜひ参考にしてみてください。