フリーランスの老後資金は4,000万円足りない!?悲惨な老後を迎えない為には

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少子高齢化が進む日本では多くの方が老後資金に不安を抱えているのではないでしょうか?

そしてフリーランスとして働く方は、原則厚生年金保険への加入ができないこともあり、厚生年金が貰える会社員などと比べて年金は減るので、より老後資金に不安になるでしょう。

そこで今回はフリーランスが悲惨な老後を迎えない為に、そしてフリーランスの老後資金の不安を少しでも解消するために、フリーランスが活用すべき制度を紹介していきます。

フリーランスに必要な老後資金はいくら?

少し前、老後は2,000万円足りないというニュースが取りだたされていましたが、これは厚生年金が貰えないフリーランスにも当てはまるのか?フリーランスはもう少し足りないのではないか?

そう感じる方もいたのではないでしょうか。

そこでまずは、フリーランスが貰える年金はいくらなのか?フリーランスに必要な老後資金はいくらなのか?を『夫婦』と『単身』の2つの場合で解説していきます。

算出する前提条件としては、国民年金受給額は満額の約6.5万円、厚生年金は平均の約14万円を毎月受給し90歳まで生活する場合で算出していきます。

※現時点で女性の平均寿命は約87歳、男性の平均寿命は約81歳ですが、年々平均寿命は延びており今後も伸びていくとの予測をもとに90歳までと仮定しております。

また、老後の平均支出額は総務省統計局の数字を参照しております。

夫婦世帯の場合

まず夫婦世帯の年金受給額と必要な老後資金を算出していきます。

65歳を超えた夫婦世帯(高齢夫婦無職世帯)の場合、1ヶ月当たりの平均支出額は約27万円です。

そこで以下2つのパターンで、夫婦世帯での年金受給額と必要な老後資金がいくらかを計算していきます。

  • 夫婦ともにフリーランスもしくは、フリーランス+専業主婦(夫)の場合(年金受給額:国民年金×2)
  • フリーランス+会社員の場合(年金受給額:国民年金×2+厚生年金)

夫婦ともにフリーランスもしくは、フリーランス+専業主婦(夫)の場合

夫婦ともにフリーランスもしくは、フリーランス+専業主婦(夫)の場合は、原則夫婦ともに国民年金のみの受給となります。

夫婦ともに国民年金を満額受給できるすると、毎月約13万円を貰うことが出来ます。

1ヶ月当たりの平均支出額は約27万円ですので、毎月約14万円の赤字となります。

老後の65歳から90歳までの25年間で計算すると、約4,200万円の赤字になりますので、夫婦ともに国民年金のみ受給の世帯の場合は老後資金として約4,200万円が必要となります。

もう少し余裕のある生活をしたいのであれば、それ以上の老後資金を準備する必要があるでしょう。

支出(万円)収入(万円)赤字(万円)
1ヶ月271314
1年324156168
合計(25年)8,1003,9004,200

4,200万円の老後資金を貯金で賄うのか?それとも他制度を活用して補うのか?は早めに検討する必要がありそうです。

フリーランス+会社員の場合

自身がフリーランスで配偶者が会社員の場合は、自身が国民年金のみの受給で配偶者は国民年金と厚生年金の受給となります。

この場合、夫婦の年金受給額の合計は毎月約27万円を貰うことが出来ます。

1ヶ月当たりの平均支出額は約27万円ですので、赤字とはなりませんが、支出額の27万円は平均なのに対して、年金受給額の27万円は満額の場合です。

つまり、一見赤字にはならずギリギリ生活できるような印象ではありますが、住んでいる場所や生活水準などによっては足りなくなる可能性が高いでしょう。

急に必要となる支出にも対応しつつ安心して老後を生活するためには、国民年金と厚生年金だけでは賄う事は難しいでしょう。

支出(万円)収入(万円)赤字(万円)
1ヶ月27270
1年3243240
合計(25年)8,1008,1000

安心して生活できる老後の為に老後資金を貯金で賄うのか?それとも他制度を活用して補うのか?は検討する必要がありそうです。

単身世帯の場合

続いて単身世帯の場合の年金受給額と必要な老後資金を算出していきます。

65歳を超えた単身世帯(高齢単身無職世帯)の場合の1ヶ月当たりの平均支出額は、約15万円です。

国民年金を満額受給できるすると、毎月約6.5万円を貰うことが出来ます。

つまり毎月約8.5万円の赤字となります。

老後の65歳から90歳までの25年間で計算すると、約2,550万円の赤字になりますので、単身世帯の場合は老後資金として約2,550万円が必要となります。

もちろんもう少し余裕のある生活をしたいのであれば、それ以上の老後資金を準備する必要があるでしょう。

支出(万円)収入(万円)赤字(万円)
1ヶ月156.58.5
1年18078102
合計(25年)4,5001,9502,550

2,550万円の老後資金を貯金で賄うのか?それとも他制度を活用して補うのか?は早めに検討する必要がありそうです。

フリーランスが老後資金準備の為にすべきこと

フリーランスが老後資金として必要な金額は、夫婦世帯の場合であれば最大約4,200万円で、単身世帯の場合であれば約2,550万円です。

老後資金は2,000万円足りないと聞いていましたが、やはりフリーランスの場合はそれ以上の金額を準備しなければならないようです。

しかし、4,200万円や2,550万円を貯金していくことは可能なのか?と考えると悩ましいのではないでしょうか?

それでも何とかしなければ悲惨な老後を迎えることになってしまうのです。

では、この多額の老後資金を準備するためにフリーランスとして何をすべきなのでしょうか?

フリーランスが安心して老後を迎えるためにすべき事は2つあります。

  • 退職金や年金の代わりになる制度の活用
  • 将来設計(マネープラン・ライフプラン)

それぞれ具体的に紹介していきます。

退職金や年金の代わりになる制度の活用

最近では会社員であっても退職金がない場合も多くなっていますが、フリーランスであればもちろん退職金はありません。

そして先ほどから紹介しているようにフリーランスは厚生年金保険への加入は原則できない為、厚生年金の受給資格はありません。

しかし、退職金や厚生年金は会社員にとっては老後資金の重要な要素になりますので、フリーランスであれば、これら厚生年金や退職金の代わりになるものがあると少しでも安心した老後が迎えらるのではないでしょうか。

そこで、フリーランスが老後資金を準備するために退職金や厚生年金の代わりになるおすすめな制度を3つ紹介します。

  • 国民年金基金
  • iDeCo(確定拠出年金)
  • 小規模企業共済

国民年金基金

まず一つ目の制度は国民年金基金です。

国民年金基金とは、フリーランスにとって会社員や公務員などが加入する厚生年金の代わりになる国民年金に上乗せできる年金制度です。

一生涯保証が受けられる『終身年金』はもちろん、ライフプランに合わせて年金額や受取期間を設計できる柔軟性があり、加入後もプランを変更することが可能です。

また、掛金は全額社会保険料控除の対象となっていますので節税にもなりますし、万が一、加入している方が亡くなった場合であっても、プラン次第では家族に遺族一時金が支給されますので、掛け捨てになるリスクもありません。

ただ、基本的に途中解約はできませんので注意が必要です。会社員になるなどし国民年金の第1号被保険者ではなくなれば、国民年金基金への加入資格を失いますので解約することが出来るようになります。

もちろん途中解約になったとしても加入中に支払った掛け金は将来年金として給付されます。

節税にもなり厚生年金の代わりにもなる『国民年金基金』は、フリーランスが老後資金を準備する1つの制度として加入を検討しても良いでしょう。

iDeCo(個人型確定拠出年金)

二つ目は、iDeCoと言われる個人型確定拠出年金制度です。

iDeCoとは、毎月の掛金とその運用益の合計金額を60歳以降に給付として受け取ることができる私的年金制度です。

iDeCoは金融機関や運用商品を自身で決めて資産を運用していきますので、資産運用に必要な最低限の基礎知識はある方が望ましいでしょう。

ただ、資産運用初心者の方でも多くの方が加入しており、そこまで難しいものではありませんのでご安心ください。

掛金は全額所得控除の対象で、運用益も非課税です。そして、年金として受け取る場合は『公的年金等控除』の対象で、一時金として受け取る場合でも『退職所得控除』の対象となります。

様々な場面で節税できるメリットが、iDeCoにはあります。ただ原則60歳になるまで受け取ることが出来ない為注意が必要です。

節税対策になり金融商品として資産運用ができる『iDeCo』は、フリーランスが老後資金を準備するのにおすすめです。

ちなみにiDeCoは正社員の方でも加入できますので、不安な方は加入してみても良いでしょう。

小規模企業共済

三つ目は、小規模企業共済です。

小規模企業共済とは、フリーランスが仕事を辞めた時に退職金の代わりに受け取ることが出来る積み立ての退職金制度です。

掛金は下限が1,000円/月で上限が7万円/月となっており、500円単位で細かく設定することができます。加入後も掛金の増減を設定することができ、収入に合わせて対応することが可能です。

また、掛金は全額が所得控除の対象となっておりますので、節税効果もあります。

年金制度のように満期や満額というのはないですが、加入期間によっては元本割れするリスクはあります。

受け取るときは『一括』か『分割』もしくは、『一括と分割の併用』と柔軟に選択することが可能で課税対象にはなりますが、一括で受取る場合は退職所得扱いになり、分割で受け取る場合は雑所得扱いとなりますので、事業所得などに比べると税負担は大幅に軽減されるメリットがあります。

節税対策になりフリーランスにとっての退職金である『小規模企業共済』への加入をぜひ検討してみるのが良いでしょう。

ここまで紹介したように、フリーランスであっても厚生年金や退職金の代わりになる制度はありますので、ぜひ老後資金の準備の為に加入を検討をしてみましょう。

将来設計(マネープラン・ライフプラン)

ここまでフリーランスが老後資金を準備するためにおすすめな制度を紹介してきましたが、それと一緒にマネープランやライフプランなど将来設計もしておくのも良いでしょう。

なぜなら、そもそも何もしなければ老後資金は数千万円単位で足りないのに対し、居住地や生活水準等によってはさらに必要な老後資金は増えるため、最終的にどれくらいの老後資金が必要なのかをある程度明確化しておかなければ、老後の生活に支障をきたす可能性があります。

また、ライフイベント等で突発的に大きな支出が発生する可能性もありますので、その為の貯金も考える必要があるのですが、フリーランスは特に老後資金を準備するために先ほど紹介したような制度に入っておく方が良いです。

ライフプランやマネープランの設計が出来ていれば、日々の生活と老後資金の準備の支出バランスをとりやすくなるでしょう。

あらゆるライフイベントを想定しつつ、最終的に必要な老後資金を想定し、それに合わせた支出や収入、貯蓄をプランし設計しておくことで、老後だけではなく今においても無理のない生活環境をつくるきっかけにもなるでしょう。

ライフプランやマネープランの設計方法が分からない方は、無料で相談できるプロに一度聞くのが良いかもしれません。

万が一に備えるためにフリーランスがすべき事とは

安心した老後を迎えるために『退職金や年金の代わりになる老後資金の準備』や『将来設計』をしたものの、ケガや病気などの万が一が起きた際に、収入が減り掛け金や積立金が支払えなくなってしまうことも可能性としてはありえます。

会社員であれば、補償が聞きますが、もちろんフリーランスには基本的には所得補償などはありません。

その為、万が一のために備えをしておきたいというフリーランスの方もいるでしょう。

そういったフリーランスの方には、下記サービスの活用をおすすめします。

  • フリーランス向け社会保険のサービスに加入
  • 請求書の現金化
  • 福利厚生を提供しているフリーランス専門エージェントの活用

フリーランス向け社会保険等のサービスに加入

会社員であれば基本的に備わっている補償ですが、最近では、フリーランス向けにケガや病気等による所得補償や万が一の損害賠償の補償を受けることが出来るサービスが登場しています。

これらを活用すれば、フリーランスであっても会社員のように安心して仕事ができ、万が一に備えることが出来ますので、こういったサービスの利用をおすすめします。

請求書の現金化

フリーランスが万が一に備えるために請求書の現金化というサービスがあることも知っておくのが良いでしょう。

会社員であれば基本的に、月末締めの翌月25日払いなど30日サイト以内で収入を得ることが出来ますが、フリーランスの場合、遅いと月末締め翌々月末払いなどの60日サイトの支払になる場合もあります。

また請負契約の場合は、完成物を納品しないと収入を得ることが出来ませんが、そういった時に大きな支出がある可能性もあります。

そんな万が一の時に、早めに現金を得るために請求書の現金化サービスを活用すれば、何とかその場を凌ぐことが可能になるでしょう。

その為にも、フリーランスとして請求書の現金化のサービスがあることや活用方法はしておくべきです。

福利厚生を提供しているフリーランス専門エージェントの活用

最近ではフリーランス専門エージェントで、福利厚生を提供しているエージェント企業が増えています。

その中でも、所得補償等の福利厚生を備えているエージェントもあります。

そういったエージェントを活用し仕事をすることが出来れば、万が一に備えて安心して仕事に取り組みことが出来るようになるでしょう。

老後を迎えるまでには万が一がありますので、その万が一に備えたいフリーランスはこれらの活用や加入をぜひ検討してみてください。

最後に

老後資金の準備は、会社員であろうがフリーランスであろうが全国民が抱える問題です。

それでも今回紹介したようにフリーランスの場合は、最大4,200万円が足りないので、特に考えなければならないことでしょう。

その為にも今回紹介した老後資金を準備するための方法や将来設計をきっちり行い、安心して老後を迎えるために動いてみてはいかがでしょうか?

ぜひ参考にして頂ければと思います。