フリーランスエンジニアの平均年収をプログラミング言語別と職種別で紹介!
『フリーランスエンジニア=稼げる』というイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、フリーランスエンジニアの平均年収をプログラミング言語別と職種別で紹介していきます。
目次
売上と年収の違い
まずフリーランスエンジニアの平均年収をそれぞれ紹介する前に、フリーランスエンジニアにとっての『売上』と『年収』の違いを解説しておきます。
売上とは
フリーランスエンジニアにとって売上とは、受注金額(契約している企業から自身への支払い)です。
案件でみるとよく単価と呼ばれていますが、この単価は売上と同じですので、受注単価=売上です。
そして、その売上の年間の合計を年商(年間売上)と言います。
仮に、単価が100万円/月の案件に参画した場合、月の売上は100万円で、年商は1,200万円となります。
年収とは
フリーランスエンジニアにとって年収(年間収益)とは、年商(年間売上)からその年間に掛かった経費を差し引いた金額です。
ちなみに年収から税金等を差し引いた額がフリーランスエンジニアにとっての手取り額になります。
月ごとの収入ですと受注金額(月額単価)から月額の経費を差し引いた金額です。
仮に、単価が100万円/月の案件に参画した場合、月の経費が40万円だとすると60万円が一月の収入になり、年収ベースで見るとは720万円となります。
フリーランスエンジニアの平均年収
それではフリーランスエンジニアのプログラミング言語別と職種別の平均年収を紹介します。
なおフリーランスエンジニアにとっての年収は、売上から経費を差し引いた金額になりますので、その経費率(経費/収入*100)を40%と仮定し計算しています。
それではそれぞれ見ていきましょう。
プログラミング言語別のフリーランスエンジニアの平均年収
まずプログラミング言語別の平均年収です。
言語 | 平均年収 | 平均単価(月額) | 年間売上 | 年間経費(40%) |
JavaScript | 4,320,000 | 600,000 | 7,200,000 | 2,880,000 |
Python | 4,824,000 | 670,000 | 8,040,000 | 3,216,000 |
Java | 3,384,000 | 470,000 | 5,640,000 | 2,256,000 |
PHP | 4,320,000 | 600,000 | 7,200,000 | 2,880,000 |
C# | 4,176,000 | 580,000 | 6,960,000 | 2,784,000 |
C++ | 4,248,000 | 590,000 | 7,080,000 | 2,832,000 |
Typescript | 5,400,000 | 750,000 | 9,000,000 | 3,600,000 |
Shell | 4,032,000 | 560,000 | 6,720,000 | 2,688,000 |
C言語 | 4,032,000 | 560,000 | 6,720,000 | 2,688,000 |
Ruby | 4,680,000 | 650,000 | 7,800,000 | 3,120,000 |
Go言語 | 4,896,000 | 680,000 | 8,160,000 | 3,264,000 |
Kotlin | 5,472,000 | 760,000 | 9,120,000 | 3,648,000 |
Swift | 4,824,000 | 670,000 | 8,040,000 | 3,216,000 |
比較的人気のある13のプログラミング言語で、経費率を40%とし、それぞれ平均年収を計算するとこのようになっています。
この13のプログラミング言語の平均年収を計算すると約450万円となっており、年商の平均は約750万円となっています。
プログラミング言語別で見ると、Androidアプリ開発に使用されるKotlinの年収が高く、その他TypescriptやGo言語、Swift、Pythonの年収が高い傾向にあります。
職種別のフリーランスエンジニアの平均年収
続いて職種別の平均年収です。
職種 | 平均年収 | 平均単価(月額) | 年間売上 | 年間経費(40%) |
フロントエンドエンジニア | 5,328,000 | 740,000 | 8,880,000 | 3,552,000 |
バックエンドエンジニア | 5,040,000 | 700,000 | 8,400,000 | 3,360,000 |
ネットワークエンジニア | 5,328,000 | 740,000 | 8,880,000 | 3,552,000 |
サーバーエンジニア | 5,040,000 | 700,000 | 8,400,000 | 3,360,000 |
Androidエンジニア | 5,760,000 | 800,000 | 9,600,000 | 3,840,000 |
iOSエンジニア | 5,472,000 | 760,000 | 9,120,000 | 3,648,000 |
組み込み系エンジニア | 4,176,000 | 580,000 | 6,960,000 | 2,784,000 |
業務系エンジニア | 4,464,000 | 620,000 | 7,440,000 | 2,976,000 |
テスター/デバッカー | 4,176,000 | 580,000 | 6,960,000 | 2,784,000 |
経費率を40%とし、9つの職種別で平均年収を計算するとこのようになっています。
この9つの職種の平均年収を計算すると約500万円となっており、年商の平均は約830万円となっています。
職種別で見ると、AndroidとiOSのスマホアプリ開発エンジニアの年収が高い傾向にあります。
フリーランスエンジニアと正社員エンジニアの平均年収の差
前述の通りフリーランスエンジニアの平均年収は、450~500万円程となっています。
ちなみに正社員のITエンジニアの平均年収は、約500万円と言われていますので、フリーランスエンジニアの平均年収と比べても、大きく差はないようです。
フリーランスエンジニアになれば稼げると思っていた人にとっては意外な結果かもしれません。
ただ、今回のフリーランスエンジニアの平均年収は、あくまで経費率を40%と仮定して計算した金額です。
人によっては経費率がもっと少ない方も多いでしょう。
もし全く経費が無いとすると、年間売上がそのまま年収になりますので、Androidエンジニアであれば平均年収で約1,000円とかなり高くなります。
つまりフリーランスエンジニアとして年収を高く見せたいのであれば、経費を削減することで実現することはできます。
フリーランスエンジニアより正社員エンジニアの方が良い?
先ほど説明した通り、フリーランスエンジニアと正社員のエンジニアとでは、経費率を40%と仮定した時の年収の差はあまりありません。
平均年収が変わらないのであれば、福利厚生が付いていて厚生年金にも加入できる正社員の方が良いのではないか?と感じる方も多いのではないでしょうか?
しかし、一概にそうとは言えません。
確かに同じ年収であることだけを見ると、社会保険は会社が半分負担してくれるのに対し、国民健康保険は自身で全額払わなければならないですし、厚生年金に加入できないフリーランスエンジニアは一般的に将来貰える年金が正社員のエンジニアよりも少なくなる可能性が高いので、デメリットしかないような気もします。
ただ、フリーランスエンジニアの年収は、『売上ー経費』によって算出されていることがポイントです。
例えば、仮に勉強用として年間60万円ほど書籍を購入しているとします。
正社員エンジニアの場合、会社で福利厚生が無い限り、自身の収入からその書籍代を払う必要がありますが、フリーランスエンジニアであれば、それを経費として計上することが出来ます。
一見同じ60万円の出費でも得た収入から払うのか、経費として払うのかで大きく違います。
もう少し数字を元に解説します。
仮に、所得税等が引かれる控除前の段階で残る金額を540万円とし、60万円分の書籍代を購入するとします。
この場合、正社員エンジニアの年収は600万円という事になりますので、もちろん所得税等はこの600万円を元に計算され、手取り金額が決まります。
家庭環境等にもよりますが、年収が600万円の場合、手取り額は470万円ほどです。そこから60万円分の書籍代を支払うので、控除後の最終的に手元に残る金額は410万円です。
しかし、フリーランスエンジニアの場合、60万円の書籍代は経費ですので、年収が540万円ということになります。つまり、この540万円から所得税等が引かれて手取り金額が決まります。
こちらも家庭環境等にもよりますが、年収が540万円の場合、手取り額は420万円ほどです。60万円分の書籍代は経費と支払っているので、控除後の最終的に手元に残る金額も420万円です。
このように、手元に残る金額に10万円の差が出てくるのです。
もちろんこの10万円の差が大きいか小さいかは人によりますし、年間たった10万円の差であれば安定している正社員の方が良いと感じる方もいるかもしれませんが、数字だけを見ればフリーランスエンジニアの方が良いという事にもなります。
今回は書籍代を例にしましたが、仕事に関係するものであれば、PCの購入費や通信費など正社員の場合、自身の収入から支払わなければならないものがフリーランスエンジニアであれば経費として支払うことが出来ます。
そういった面を考えるとフリーランスエンジニアで働くメリットも大きいのではないでしょうか?
フリーランスエンジニアが経費申請する時の注意点
フリーランスエンジニアは、仕事に必要なものの出費を経費として計上できるというメリットがあることは前述の解説でお分かり頂けたかと思います。
意外と経費として計上できるものは多岐に渡りますので、何が経費として計上できるのかをきちんと調べておけばかなりの節税になります。
ただ、注意しなければならないこともあります。
- 浪費
- 社会的信用の低下
浪費
多くのものが経費になるからと言って、必要以上にモノを購入したり、接待として必要以上に会食をしていては、単純に浪費とも取れます。
そのモノの購入には投資効果があるのか?その人を接待して投資効果はあるのか?きちんとそれを考えなければただの浪費になってしまいます。
購入であれ接待であれ経費として計上できたとしても手元のお金は無くなっています。節税と浪費は紙一重ですので、十分注意する必要があるでしょう。
社会的信用の低下
フリーランスエンジニアの中には、今後住宅ローンを借りてマンションや一軒家など住宅を購入することを検討している方もいるでしょう。
その際に、住宅ローン審査としてチェックされるのは、売上ではなく経費控除後の年収です。もちろん正社員であってもこの年収がチェックされます。
もし多くの経費があれば、同じ売上額であっても年収は下がります。つまり、その分社会的信用度は下がり、住宅ローン審査が厳しくなってしまいます。
もちろん経費であるものは経費として計上するのが節税としても良いですが、将来的なライフプランは頭に入れておく必要はあるでしょう。
まとめ
これまでプログラミング言語別と職種別のフリーランスエンジニアの平均年収を紹介してきましたがいかがでしたでしょうか?
思ったよりフリーランスエンジニアは稼げないなと思った方もいるかもしれません。
ただ、本文中でも紹介したように、正社員とフリーランスとでは最終的に収入になる流れに大きな違いがあります。
これは非常に重要なことですので、しっかりと認識しておきましょう。ぜひ参考にしてみてください。
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