Linux案件の単価相場とこれまでの単価の推移
今回はLinuxを習得すればどれくらい稼げるのか?Linuxのお金事情を中心に解説していきます。
- Linuxの単価相場は?
- Linuxの平均単価や中央値は?
- Linuxの単価相場の動向は?
- そもそもLinuxって何?
- Linuxってどうなの?
- WindowsやMacといった他OSとの違いは?
などの疑問解決に役立てられるようデータを交えて解説していきますので、最後まで読んでみてください。
Linux案件の単価相場データなどは、今Linuxを使い活躍しているエンジニアにとっても参考になるデータだと思います。
では早速解説していきます。
目次
Linux案件の単価相場
それではLinuxを扱うエンジニアはどれくらい稼げるのか?Linux案件の単価相場を紹介していきます。

Linux案件の単価相場は60万円台となっており、次いで70万円台、50万円台の案件が多くなっています。
40万円台以下と80万円台以上の割合は、全体的に見て低いので、一般的に50~70万円台あたりがLinuxエンジニアの稼げる単価になるでしょう。
ただ80万円台以上の案件もしっかりありますので、+αのスキルありきにはなりますが、目指せるところではあります。
Linux案件の平均単価と中央値
Linux案件の『平均単価』『平均Min単価』『平均Max単価』『中央値』はこちらです。

Linux案件の平均単価は62万円で、中央値は60万円となっています。中央値が60万円となっていますので、Linux案件の半数は60万円以上であることがわかります。
またLinux案件のミニマム単価の平均は56万円で、マックス単価の平均は65万円です。
マックス単価の平均でも65万円ですので、Linux案件で高額な案件を目指すのは中々難しいのかもしれません。
Linux案件の単価相場の推移

Linux案件の単価相場を2015年から2019年にかけて年ごとに抽出してみました。どの年代も60万円台を相場にしており、大きくぶれの無い推移グラフになっています。
ただ2015年は70万円台の案件の割合が多かったものの2018年にかけて、すこし減少傾向ではあるように見えます。
しかし2019年には、80万円台以上の案件の割合が増加傾向にあり、高単価のLinux案件が増えているようではあります。
実際国内のLinux市場は、年々伸びているようであり、今後クラウドサービスの需要は増加に伴いLinuxの需要も増加してくるのではないかと思います。
たとえばAWSなどのクラウドサービスはLinuxを標準的のOSとして使用されています。また日本市場向けに新たに2018年から『LinuC』というLinuxエンジニア向けの資格試験が開始された背景からも需要の増加は大きくありそうです。
現時点では、WindowsがOSシェア率としては圧倒的に高い状況ですが、Linuxも負けじと伸びてくるのではないかと思います。そうなるとLinuxの将来性は高いのではないでしょうか。
Linuxとは
これまでLinuxのお金事情を中心に解説してきましたが、そもそもLinuxとは何か?解説していきます。
『オープンソースのOS』、それがLinuxで、1991年にUnixを参考に開発されました。
オープンソースとは、目的を問わず、ソースコードを利用・修正できるソフトウェアです。ホームページやサイトを作成する時に使用される『Wordpress』もオープンソースのソフトウェアです。
要はLinuxは、ソースコードが無償で公開されており、さらに自由にカスタマイズすることのできるOSです。
ただLinuxと言っても、様々なタイプや種類があります。これが『Linuxディストリビューション』です。
どのディストリビューション選ぶのかは、自身の用途や目的に合わせて選択していく必要があります。
OSとは
そもそもOSとは何か?を説明すると、OSとはオペレーティングシステムの略で、コンピューターやスマートフォンの土台を支えているソフトウェアです。
デバイスやアプリを動作させるための基本となるソフトウェアで、『ソフトウェア』と『ハードウェア』を連携させるための役割をOSは担っています。
具体例を挙げると
- キーボードで文字を入力すれば画面にその文字が表示される
- マウスを動かせば、カーソルが動いて位置が分かる
など当たり前に感じることは、OSによって実現されている機能なのです。
OSの代表的な種類は、スマートフォンだと
- Android
- iOS
パソコンだと
- Windows
- Mac
- Linux
があります。
ちなみにパソコンのOSのシェア率を見ると、Windowsが圧倒的で、その次にMac、Linuxと並んでいます。
Linuxのメリット
Linuxのメリットはこちらです。
- オープンソースのOSなので基本無償で活用できる
- 古いPCの再利用
- 中身を触ってカスタマイズできる
- 勉強に最適
オープンソースのOSなので基本無償で活用できる
冒頭でも説明した通り、LinuxはオープンソースのOSです。その為基本的に無償で、インストールし使用することが出来ます。
WindowsOSをインストールするにはお金が発生しますが、Linuxは無料です。パソコンというハードウェアがあればパソコンを問題なく扱えることが出来ますので、コストを抑えることにも繋がります。
WindowsOSには、ExcelやWordといったアプリケーションがあり、パソコンを使用する多くの人には欠かせないものでしょう。
Linuxをインストールした時には最小限の機能しか備えてはいませんが、Linuxにもそれらのようなアプリケーションに加え、他にも豊富なアプリケーションがあり、多くのものが無償で活用することが出来ます。
コストを抑えパソコンとしての十分な機能を備えることがLinuxであれば出来ます。
古いPCの再利用
古く動作の遅くなったWindowsやMacなどのOSがインストールされているパソコンにもLinuxをインストールし再利用することが出来ます。
Linuxの特徴として軽量なOSであるため、サクサク動かせるパソコンに変えることができます。
中身を触ってカスタマイズできる
Linuxはオープンソースですので、中身を自由に触りカスタマイズすることが出来ます。
柔軟性の高いOSなので、自分用のOSに仕上げることも可能です。
勉強に最適
前述のカスタマイズ性にも関わってきますが、中身を自由に触ることが出来るので、パソコンの仕組みやOSについて学ぶことが可能です。
仮に失敗して動かなくなったとしても、無償でインストールできるので再度やり直しが効きますので、トライアンドエラーがLinux環境であれば出来ます。
ただ自身でインストールすることから始めなければならなく、オープンソースのためサポートがないので、学習難易度が低いという訳ではありませんのでご注意ください。
Linuxのデメリット
Linuxのデメリットはこちらです。
- サポートがない
- Linuxユーザーが少ない
- 使い慣れたアプリケーションが使えない
サポートがない
オープンソースという無償で提供されているが故、トラブルがあった時などのサポートはありません。その為自身で調べて解決する必要があります。
有償であればサポートしてくれる企業もありますが、それだとコストが発生してしまいます。
Linuxユーザーが少ない
OSのシェア率からも分かるように、Linuxのシェア率は低いです。
そのため周りにLinuxユーザーが少なく情報交換等は難しいでしょう。
使い慣れたアプリケーションが使えない
おそらく多くの人が、ExcelやWordといったWindowsOSに搭載されているアプリケーションを使用したことがあると思いますが、Linux環境ではこれらを使用することは出来ません。
仕事用として使用するには、向かない人もいるでしょう。
LinuxとWindows、Macとの違い
他OSであるWindowsやMacとLinuxとの違いを上げていきます。
- 有償か無償か
- サポートの有無
- セキュリティ
- 学習難易度
- スピード
- シェア
有償か無償か
WindowsやMacとLinuxとの最大の違いとしては、有償か無償かという点です。
Linuxはオープンソースですので無償ですが、WindowsやMacは有償です。Windowsだとインストールするのに数万円かかります。
コストという面では圧倒的にLinuxの方が良いです。
ただ新品のパソコンを購入すると既にWindowsやMacがインストールされているケースが殆どですのであまり気にしない人もいるでしょう。
サポートの有無
有償か無償かの違いでもありますが、Linuxは無償の分サポートがなく、WindowsやMacは有償の分サポートがあります。
そのためトラブルがあった際には、WindowsやMacの方が安心して問題を解決することが出来ます。Linuxの場合は、自身で調べて解決していかなければなりません。
セキュリティ
セキュリティ面では、Linuxの方が有利です。
なぜならウイルスのターゲットにするのであれば、ユーザー数が多い方が良いです。そうなると必然的にユーザー数の多い、Windowsを対象にしてきます。
MacはWindowsに比べてユーザーが少ないので、Windowsほどのウイルスのリスクは少ないですが、Linuxよりは多いのでセキュリティ面では、Linuxの方が有利になります。
学習難易度
ユーザーが少なくサポートの無いLinuxよりは、ユーザーが多くサポートのあるWindowsやMacの方が学習難易度は低いでしょう。
ユーザーが多いということはそもそも情報量が違いますので、問題の解決に大きな差があります。
スピード
動作スピードという面では、軽量OSであるLinuxの方が優秀です。
余計な機能をそぎ落とせる柔軟性がLinuxにはあるため比較的動作も高速になります。
シェア
現時点では圧倒的にWindowsの方がシェア率が高いです。次いでMacのシェア率が高く、その後Linuxというような状況です。
ただLinuxもしっかりと伸びています。
Linuxエンジニアにおすすめの資格
Linuxエンジニアにおすすめの資格は2つです。
- LinuC
- LPIC
LinuC
LinuCの正式名称は、『Linux技術者認定試験 LinuC』(読み方:リナック)と言い、2018年3月に開始された新し認定資格試験です。
LinuCは、グローバルに通用する日本品質の信頼できる認定資格として作られ、日本市場のニーズに合わせた試験という特徴があります。
階級は大きく3つに分かれています。
- LinuCレベル1
- LinuCレベル2
- LinuCレベル3
LinuCレベル1は、仮想環境を含むLinuxシステムの基本的な操作とシステム管理が行える技術者向けの試験です。
この試験を受験をするための条件はありません。
レベル1の試験は2種類に分かれており、『101試験』と『102試験』があります。そしてレベル1の資格を得るためにはその両方の試験に合格する必要があり、どちらからでも受験は出来ますが、片方を合格して5年以内にもう片方を合格する必要があります。
試験価格は、1試験が15,000円(税抜)となっており、レベル1の資格を取得するためには、最低30,000円(税抜)が必要となります。
LinuCレベル2は、仮想環境を含むLinuxのシステム設計やネットワーク構築におけるアーキテクチャに基づいた設計と導入、保守、問題の解決ができる技術者向けの試験です。
受験資格は、特にありませんが、レベル2の資格認定を得るためには、レベル1の資格を得ている必要があります。
レベル2の試験も2種類に分かれており、『201試験』と『202試験』があります。そしてレベル1同様にレベル2の資格を得るためにはその両方の試験に合格する必要があり、どちらからでも受験は出来ますが、片方を合格して5年以内にもう片方を合格する必要があります。
試験価格は、1試験が15,000円(税抜)となっており、レベル2の試験に合格するためには、最低30,000円(税抜)が必要となります。
LinuCレベル3は、エンタープライズレベルでの開発ができる技術者向けの試験で、Linuxの最高技術レベルのプロフェッショナルな能力を証明できる資格です。
こちらも受験資格は特にありませんが、レベル3の資格認定を得るためには、レベル2の資格を得ている必要があります。
レベル3の試験は3種類で、『300試験』と『303試験』、『304試験』があります。レベル3の資格を得るためには、このすべてではなくどれか1つを合格すれば問題ございません。
試験価格は、1試験15,000円(税抜)となっており、仮に不合格になった場合、不合格日から2年以内であれば、5,000円(税抜)で再受験することが出来ます。
2018年に開始された新しい資格で日本市場向けに特化されたLinuxエンジニア向けの資格ですので、ぜひチャレンジしてみてください。
LPIC
LPICは、Linuxエンジニア向けの世界共通の資格試験です。こちらはLinuCよりも長く実績があり、世界200ヵ国以上の技術者が受験している世界に通用する国際資格です。
LPICの階級は大きく3つに分かれております。
- LPIC-1
- LPIC-2
- LPIC-3
LPIC-1は、コマンドラインでメンテナンスを実行する能力やLinuxのインストールから構成、基本的なネットワーク知識などが問われる初級の試験です。
受験資格は特にありません。LPIC-1は2種類の試験に分かれており、『101試験』と『102試験』があります。
LPIC-1の資格認定を得るためには、この2つの試験に合格しなければなりません。
試験価格は、1試験あたり15,000円(税抜)で、LPIC-1の資格認定を受けるためには、最低30,000円(税抜)が必要となります。
LPIC-2は、中小規模の混合するネットワークを管理する能力を問われる中級の試験です。
LPIC-2の資格を取得するためには、LPIC-1の資格認定を受けていることが必須条件です。LPIC-2も試験は2種類に分かれており、『201試験』と『202試験』があります。
またLPIC-2の資格認定を得るためには、この2つの試験に合格しなければなりません。
試験価格は、1試験あたり15,000円(税抜)で、LPIC-2の試験を合格するためには、最低30,000円(税抜)が必要となります。
LPIC-3は、『300試験』と『303試験』、『304試験』の3種類に分かれています。
300試験では混在環境における全体のLinuxシステムの管理、303試験ではLinuxシステムのセキュリティについて、304試験ではLinuxシステムの仮想化および高可用性についての能力を問われる試験です。
LPIC-3の資格を取得するためには、LPIC-2の資格を取得していることが必須条件となります。また3種類すべてを合格する必要は無く、LPIC-3どれかを合格すれば、対象の試験の資格取得条件をクリアしたことになります。
受験価格は、1試験あたり15,000円(税抜)となっています。
歴史もあり世界的にも通用するLinuxエンジニア向けの資格ですので、ぜひチャレンジしてみてください。
最後に
今回は、OSの一つであるLinuxについて解説してきました。
オープンソースのOSという他OSにはない特徴を持ち、そしてクラウドサービスの需要が高まる現在において非常に将来性の高いOSだと思います。
ぜひこれらを参考にし、Linuxを学んでみて下さい。