【OSとは】機能や役割、種類について初心者向けに分かりやすく解説したOS入門書
OSとは
まずはOSとは何か?について説明します。OSとは『オペレーティングシステム』の略で、コンピューターやスマートフォンの土台を支えているソフトウェアです。
デバイスやアプリを動作させるための基本となるソフトウェアで、『ソフトウェア』と『ハードウェア』を連携させるための役割をOSは担っています。
具体的な例を挙げると
- キーボードで入力した文字が画面に表示される
- マウスで操作するとカーソルが動く
などの動作はOSにより実現されています。
要はOSがなければパソコンもスマートフォンも操作が出来ないので、ただの空箱と同じようなものになってしまいます。
ただ厳密に言うとOS自体にも種類があり、実際に私たちが使っているパソコンやスマホといった端末に搭載されているOSである『クライアントOS』と、サーバー向けに設計されているOSである『サーバーOS』があります。
パソコンやスマホなどの端末とサーバー側では、役割は違いますので、それぞれに適したOSが存在しています。
今回は、前者であるクライアントOS(以下:OS)について解説していきます。
OSの主な機能と役割
OSは、『ソフトウェア』と『ハードウェア』を連携させるための役割を担っており、当たり前に感じている事はOSがあって成り立っています。
では具体的にOSの機能や役割は何なのか?説明していきます。
- 入出力の管理
- 外部機器の管理
- ファイルの管理
- タスクの管理
- マルチタスクの管理
- メモリの管理
- APIの提供
入出力の管理
OSの機能・役割として入出力の管理があります。
冒頭で具体例として出した通り、キーボードで打ち込んだ文字が画面に反映されたり、マウスの操作などといった入出力の判別はOSが担っています。
キーボードのどのキーを押したのか?マウスの左右どちらのクリックを押したのか?などを適切に判別してそれを実現させているのがOSです。
外部機器の管理
外部機器の管理もOSの重要な機能・役割です。
外部機器の例を挙げると、キーボードやマウスはもちろんイヤホンやディスプレイといったものがあります。
それらをパソコンやスマホと接続して問題なく使用できる環境にしているのはOSです。
ファイルの管理
普段ExcelやWordなどを管理するために何気なくファイルを作成していますが、このファイルの管理もOSが担っています。
ファイルの中にファイルがあったりと階層構造になっているファイルの構造を管理しています。
またファイルの適切な出し入れや保存場所などもOSによって管理されています。
タスクの管理
『タスク=仕事』ですが、要は作業の管理もOSによるものです。
キーボードやマウスの入力ももちろんですが、ExcelやWordといったアプリケーションの実行もそれにあたります。
作業の順序の決定や作業に対して必要なメモリの振り分けといったマネジメントのような機能・役割がOSにはあります。
マルチタスクの管理
マルチタスクで作業が出来るようにしているのもOSの機能・役割です。
要は、複数のアプリケーションを同時に起動して作業できる環境をサポートしてくれているのです。
例えば、Excelで資料を作成しつつ必要な情報をネットで検索するといった当たり前な作業がOSによりできます。
メモリの管理
タスク管理で出てきた作業に対してのメモリの振り分けだけでなく、不要になったメモリの開放といったメモリ全体の管理もOSの機能・役割になっています。
つまり不要になったメモリを回収して、次の新しい要求に対してメモリを提供できるように後処理のようなこともOSが行っています。
APIの提供
OSはAPIの提供という機能・役割があります。
APIとは、Application Programming Interfaceの略で、アプリケーションを起動するためにはなくてはならないものです。
厳密に言うと、アプリケーションを簡単に起動できるようにしているのがAPIで、このAPIによりアイコンをクリックするだけでアプリケーションが起動できるようになっています。
OSの種類
OSには『クライアントOS』と『サーバーOS』の2種類があることは、冒頭で説明しましたが、さらにそれぞれに対し種類が分かれています。
OSの中でもデスクトップOS(パソコン用のOS)やスマートフォンOSがあります。代表的なものはこの5つです。
- Windows(デスクトップOS)
- Mac(デスクトップOS)
- Linux(デスクトップOS/スマートフォンOS)
- Android(スマートフォンOS)
- iOS(スマートフォンOS)
デスクトップOSには、その他にも『chromeOS』などがありますが、WindowsやMac、Linuxの3つがメインのOSです。
さらにこの中から、Windowsであれば『Windows10』や『Windows7』などと細かく分かれていきます。
スマートフォンOSには、その他に、ファーウェイの独自OSである『HarmonyOS』などがありますが、メインはAndroidとiOSです。
デスクトップOS同様、さらにこの中からバージョンが分かれています。
ではそれぞれのOSについて特徴やメリット・デメリットを紹介していきます。
Windows
WindowsはMicrosoft社が提供しているデスクトップOSです。一般的にパソコンを購入すれば、大抵このWindowsのOSがインストールされており、多くの人に使用されているOSです。
現在(2020年8月時点)の最新のWindowsのOSは、『Windows10』となっており、継続的にバージョンが更新されています。
Windowsのシェア
Windowsのシェアは圧倒的で、OSと言えばWindowsしか知らない人も多いです。
Net Applicationsの調査によるとWindowsのシェア率は2020年8月時点で約87%となっています。
Windowsの中だけで見ると、2020年8月時点でOS全体に対してWindows10が約60%、Windows7が約22%を占めています。
最新のWindows10がシェア率として高いものの、既にサポートが終了しているWindows7も意外と多いです。
Windows7は使用できない訳ではないですが、2020年1月にサポートが終了していますので、なるべく早めにWindows10へアップグレードしましょう。
Windowsのメリット
Windowsの最大のメリットは、圧倒的なシェア率です。上記でも説明した通り、約87%ものシェアを誇っています。
シェアが高いことはそれだけユーザーが多いということになりますので、操作方法等で困った時の情報源は圧倒的です。
Windows10になり、Webサイトにペンでメモを書き込めたり、仮想デスクトップ機能などが搭載されて、利便性が高まっています。
Windowsのデメリット
Windowsのデメリットは、ウイルスが入ってくる確率が高いということです。
このデメリットはセキュリティに問題があるという訳ではなく、ユーザーが多いことが原因です。
ウイルスを入れる側からすれば、ユーザーが多いところにターゲットを絞る方が効率的です。そのため圧倒的なシェア率を誇るWindowsがターゲットにされる確率が高まるのです。
圧倒的なシェア率というメリットが、逆にデメリットの原因にもなっています。
Mac
Macは、Apple社が提供しているデスクトップOSです。
Apple製のパソコンである、iMacやMacBookにはこのOSがインストールされています。
現在(2020年8月時点)のMacの最新のOSは、『Mac OS 10.15』で、『macOS Catalina』という名称で呼ばれています。ただ2020年秋ごろには、新しいバージョンである『MacOS 11.0』 の『MacOS Big Sur』がリリース予定となっています。
Macのシェア
Net Applicationsの調査によるとMacのシェアは、Windowsに次いで2番目となっており、OS全体に対し、2020年8月時点で約9.5%のシェア率を誇っています。
Macの中だけで見ると、2020年8月時点でOS全体に対し、Mac OS 10.15(Catalina)が約5%で、Mac OS 10.14(Mojave)が約2%、Mac OS 10.13(High Sierra)が約1%となっています。
Macのメリット
Macのメリットは、Apple社製品であるiPhoneとの関係性が高く、アプリケーションが充実している点です。
Apple社製品と言えば、iPhoneがありますが、このiPhone用(iOS)のアプリ開発にはMacが最適です。特に日本ではiPhoneユーザーが非常に多いので、Macを使用してのアプリ開発は欠かせません。
またMacにもAppStoreがあり、そこからMac用のアプリケーションのインストールをすることが出来ます。
Macのデメリット
Macのデメリットは、ハードウェアであるMacのパソコンの価格が高く、Windows側とのやり取りが面倒である点が挙げられます。
Macのパソコンは、価格が高いことは多くの方がご存知だと思います。コストを抑えたい人には少し厳しいでしょう。
またMacのパソコンからWindowsのパソコンへファイルデータを送ると文字化けすることがあります。これは非常に面倒で、何のファイルなのか相手に伝えることが出来ません。
現状圧倒的にWindowsユーザーの方が多いので、デメリットになっている点の1つとして挙げられます。
Linux
Linuxは、WindowsやMacと違い有償で提供されているOSではなく、基本無償で提供されているオープンソースのOSです。
WindowsやMacがインストールされていたパソコンにLinuxをインストールして利用することが出来ます。
ちなみにWindowsはこのLinuxをベースに作られており、MacはLinuxの元であるUnixというOSを元に作られています。
Linuxのシェア
Linuxは、デスクトップOSとスマートフォンOSの両方で利用できます。
デスクトップOSとしてのシェアで言うと、WindowsとMacに次いで第3位に位置しており、Net Applicationsの調査によると2020年8月時点でOS全体に対して、約2.7%を占めています。
スマートフォンOSとしてのシェア率を見ると、2020年8月時点で、約0.05%です。
デスクトップとスマートフォンの両方に使用されるOSではありますが、この数字を見る限りLinuxは、デスクトップOSという認識で問題ないでしょう。
ちなみにLinuxは、クライアント用とサーバー用があり、サーバーOSとしてのLinuxは多くの企業に使用されています。
Linuxのメリット
Linuxの最大のメリットは、オープンソースのOSであることです。
その為無償で提供されており、自由にカスタマイズすることが出来ます。カスタマイズし、自身で機能を追加していくことが出来ます。
中にはOSの学習としてLinuxを使う方もいます。
Linuxのデメリット
Linuxのデメリットは、ユーザー数が少なく、初心者には難易度が高いという点が挙げられます。
シェア率では全体の3番目に位置してはいますが、約2.7%とかなり低く、その為、Linux関係で分からない場合に情報交換できるような相手は少ないです。
またLinuxは、オープンソースであるためサポートもなく自身で調べて動かしていかなければならないので、初心者には難しいOSでしょう。
Android
Androidは、Google社が提供しているオープンソースのスマートフォンOSです。
『Google Pixel』や『Xperia』など、iPhone以外のスマホには、基本的にはこのAndroidのOSが搭載されています。
現在(2020年8月時点)のAndroidのOSの最新バージョンは、『Android 10.0』です。
Androidのシェア
Androidのシェアは、世界的に見ると圧倒的で、Net Applicationsの調査によると2020年8月時点で、OS全体の約71%をAndroidが占めています。
またAndroidの中だけで見ると、2020年8月時点でOS全体に対し、Android 10.0が約25%で、Android 9.0が約19%となっています。
日本単体で見ると、Androidのシェアは約半数ほどで、若干Androidの方が多いという状況です。
Androidのメリット
Androidのメリットは、オープンソースのOSであり、ユーザーとしては選択肢が多い点が挙げられます。
AndroidはオープンソースのOSであるため、ソースコードが公開されており、開発者にとっては非常にありがたい代物です。
また多くのスマホメーカーは、OSにAndroidを採用しているため、ユーザーとしても端末の選択肢は広いです。
Androidのデメリット
Androidのデメリットを上げるとすれば、ウイルス侵入のリスクがあることです。
Androidアプリは通常、GooglePlayというアプリストアからインストールしますが、設定を変更すればGooglePlay以外からもアプリをインストールすることが出来ます。
その為ウイルスを持ち込むリスクが高まります。もちろんGooglePlayにのみあるアプリをインストールしていれば、それほど気にするデメリットではありません。
iOS
iOSは、Mac同様Apple社によって提供されているスマートフォンOSです。
『iPhone』には、iOSが搭載されています。
現在(2020年9月2日時点)のiOSの最新バージョンは、iOS 13.7となっています。
iOSのシェア
iOSのシェアは、Androidに次いで2番目に位置し、Net Applicationsの調査によると2020年8月時点で、OS全体に対し、約28.6%を占めています。
iOSの中で見ると2020年8月時点で、OS全体に対し、iOS 13.6が約2.7%で、iOS 13.3が約1.6%、iOS 13.5が約1.3%となっています。
日本単体で見るとiOSのシェアは、若干Androidより劣りますが、ほぼ同じくらいになっています。
iOSのメリット
iOSのメリットは、Apple社製品との相性の良さが挙げられます。
例えば、Apple社のパソコンである『MacBook』やスマートウォッチの『AppleWatch』、Siriと搭載しているAIスピーカーの『HomePod』などとの互換性が高い特徴があります。
iOSのデメリット
iOSのデメリットは、ハードウェアである端末、つまりiPhoneの価格が高いという点です。
iOSはiPhoneにしか搭載されておらず、iOSを好むのであればiPhoneしか選択肢はありません。しかしAndroidのOSが搭載されている端末に比べ、iPhoneは高単価です。
その点においては、iOSのデメリットと言えるでしょう。
最後に
OSの機能・役割やOSの種類とその特徴について解説してきましたが、OSは常にバージョンが更新・改良されていっています。
今回はメインのところを解説してきましたが、他にも多くのOSが存在しています。
ただまずはOSの機能・役割や最低限この5つについて覚えておくのが良いでしょう。ぜひ参考にしてください。