Python案件の単価相場と動向は?Pythonについてもわかりやすく解説
今最も学びたいプログラミング言語として人気の高い『Python』
今回はこのPythonを習得すればどれくらい稼げるのか?Pythonのお金事情を中心に解説していきます。
- Pythonの単価相場は?
- Pythonの平均単価や中央値は?
- Pythonのこれまでの単価相場の動向は?
- Pythonとは?
- Pythonで何ができるのか?
- Pythonのメリットやデメリットは?
- Pythonエンジニアにおすすめの資格は?
などの疑問に応えられるようデータなどを交えて紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
Python案件の単価相場
Pythonエンジニアは、実際どれくらい稼げるのか?まずはPython案件の単価相場を紹介します。

Python案件の単価相場は70万円台となっています。
単価相場の70万円台に次いで、60万円台や80万円台の案件が多くなっており、Python案件のボリュームゾーンは、60万円~80万円台となっています。
また90万円以上の高額な案件も割合でみると多い傾向にありますので、Pythonエンジニアは比較的稼げる環境があります。
ただPythonは、AI開発で使用されるケースやアプリケーション開発で使用されるケースなど様々です。開発の用途やニーズによって単価の差は多少あるでしょう。
Python案件の平均単価と中央値
Python案件の『平均単価』『中央値』『平均Min単価』『平均Max単価』を紹介します。

Python案件の平均単価は78万円で、中央値は70万円となっています。
Pythonは70万円以上の案件が半数以上あり、平均単価で見ても78万円と高額になっています。
またPython案件のミニマム単価の平均は72万円で、マックス単価の平均は80万円となっています。
ミニマム単価の平均でも72万円と高額になっていて、Pythonは非常に稼げるプログラミング言語です。
この表も見てもPython案件の単価相場は、70万円台であることが分かります。
Python案件の単価相場の推移
Python案件の単価相場の推移はこのようになっています。

Python案件の単価相場の推移をみると、2015年~2016年の単価相場は70万円台で、2017年~2018年は60万円台へ単価相場が若干下がり、2019年には再び70万円が単価相場となっています。
また全体的にみると、相場以下の60万円台以下の案件の割合は年々減少傾向にあり、反対に相場以上の80万円台以上の案件の割合は年々増加している傾向にあります。
このグラフからでもPythonの人気や需要が高まっていることが窺えます。
AIやビッグデータなどトレンド技術に採用されるPythonですので、今後の需要増加にも期待が持てるでしょう。
Pythonとは
Pythonの単価相場など紹介してきましたが、そもそもPythonとはなにか?について特徴など解説していきます。
Pythonは、1991年に登場したオープンソースのプログラミング言語です。
JavaやC言語など他のプログラミング言語と比較して、文法が非常にシンプルで分かりやすいという特徴があり、比較的初心者の方でも入り易いプログラミング言語と言われています。
またPythonと言えば、AIというイメージが強いと思いますが、その他にも様々な分野の開発でPythonが使用されるなど、汎用性は高いです。
もちろんAIというトレンドの分野で活躍できる(している)プログラミング言語ですので、非常に需要としても高くなっています。
Pythonで出来ること
『Python = AI』というイメージが大きいですが、それらも含めPythonで何ができるのか?紹介していきます。
- AI・機械学習の開発
- Webやデスクトップ、組み込み系のアプリケーション開発
- データ分析
AI・機械学習の開発
機械学習や人工知能といったAI分野での開発といえば、Pythonです。現在これらの分野において、Pythonは最も使用されており、独壇場と言っても過言ではありません。
AIや機械学習といった分野で、ここまでPythonが人気な理由は、それらに適したライブラリやフレームワークの豊富さにあります。
例えば、機械学習のライブラリである『scikit-learn』やディープラーニング用のフレームワークである『Tensorflow』などがあります。
実例としては、Uberのサービスであったり、GoogleなどもAI開発でPythonを使用しています。
Webやデスクトップ、組み込み系のアプリケーション開発
AI以外の分野でもアプリケーションの開発においてPythonは広く使用されています。
例えば、YouTubeやInstagramといったサービス開発には、Pythonが使用されており、大規模なWebアプリケーションの開発で活躍することが出来ます。
また業務効率化や分析ツールなどのデスクトップアプリケーション開発にも使用されており、今後AIによる業務改善や効率化というニーズは高まってくるので、この分野でPythonでの開発需要は広がってきます。
さらにはスマート家電など組み込み系のアプリケーション開発にも使用されています。この分野においても今後さらに需要は加速するでしょう。
このようにPythonは、AIだけではなくそれ以外の分野で活躍していますし、今後AI技術の需要性が増してくればより多くの開発で必要な技術となってきます。
データ分析
Pythonには、データ分析に必要な工程に役立つライブラリも豊富にあります。
そのためデータサイエンティストにも必須スキルとしてPythonが使用され、この分野においてもPythonの重要度は高まっています。
実際に、楽天やぐるなびなどのデータ分析にもPythonが使用されています。
Pythonのトレンド推移
Pythonのトレンドが伸びていることに対して、察しのつく方も多いと思いますが、実際どのように伸びているのか直近5年間での推移を紹介します。
まず日本だけに目を向けるとこのようになっています。

5年前はトレンドとしては低く、数値としては25以下という状況でしたが、年々右肩上がりに数値は伸びています。
現在は、数値として75~100辺りを推移しており、日本でPythonの人気が高まっているのが分かります。
次に世界全体で見たPythonのトレンドを見てみましょう。

5年前は数値としては40ほどで、日本よりは高い数値ではありますが、トレンドとしては決して高い状況ではありませんでした。
ただこちらも日本単体でのトレンドと同様、年々右肩上がりに伸びており、現在は90以上という高い数値になっています。
このようにPythonの人気は世界的に高くなっており、注目度が増しているプログラミング言語であることが分かります。
それではPythonのメリットやデメリットなど特徴について紹介していきます。
Pythonのメリット
Pythonのメリットはこちらです。
- コードがシンプル
- 専門的で豊富なライブラリやフレームワーク
- AI分野で活躍
- ビッグデータにも対応可能
コードがシンプル
Pythonは、他プログラミング言語に比べ、コードがシンプルで読みやすく書きやすい特徴があります。
開発規模が大きくなるとコードが複雑になり、ミスが発生し、開発効率が低下するという点を改善するために、Pythonは少量のコードでプログラミングができるよう設計されています。
またそれにより、誰でも似たようなコードになるため生産性や効率性などにも非常に高いです。
実際、『Hello World!』と表示させるためのコードをJavaとPythonとで比較した時、Pythonの方が非常に少ないコード量で実行することが出来ます。
専門的で豊富なライブラリやフレームワーク
Pythonには、AI分野だけでなくアプリケーション開発でも活躍できるプログラミング言語です。幅広く活躍できる要因として、それぞれに対応した豊富なライブラリやフレームワークがあります。
AI分野で活躍する機械学習・ディープラーニングだと、『Tensorflow』や『Keras』、『Pytorch』、『Chainer』『Theano』などがあります。ちなみにその中でも『Tensorflow』の人気がダントツです。
またアプリケーション開発分野だとWebアプリケーションの代表的なものとして、『Django』や『Bottle』、『Flask』、『Tornado』などがあります。ちなみにこの中では『Django』の人気が高く、日本での需要も高いです。
さらにデータ分析にも役立つようなライブラリも豊富にあります。
このように様々な開発に適した豊富なライブラリやフレームワークがPythonにはあります。
AI分野で活躍
AIという最新トレンド技術の開発に多くの企業で使用され、そしてその分野の最前線で活躍している実績は大きなメリットです。
AI開発に適したライブラリやフレームワークも豊富にあり、今後さらに需要の高まるAI分野の開発で、Pythonは欠かせません。
将来的にも非常にニーズの高い言語です。
ビッグデータにも対応可能
AI分野で活躍できるという点からも容易に想像できますが、データ分析という点でもPythonは活躍しています。
データの種類や量が増えている現在、このビッグデータにも対応できる点は大きなメリットです。
データサイエンティストにも人気の高い言語で、今後も需要は高いでしょう。
Pythonのデメリット
Pythonのデメリットはこちらです。
- 実行速度が遅い
- インデントによる制約がある
実行速度が遅い
Pythonは、インタプリンタ型の言語で、C言語などのコンパイラ型の言語と比較すると実行速度が遅くなってしまいます。
そのため実行速度の速さを求められるシステムや高度なゲームの開発には不向きです。
また統計学的な処理や機械学習的な処理においてもPythonよりも速いR言語が存在します。
ただPythonには、豊富なライブラリやフレームワークが存在しそれらを活用することで、速度の遅さをある程度カバーすることが出来ます。
インデントによる制約がある
Pythonは、インデントによる記述の制約があります。
そのため少しプログラミング言語に慣れている人にとっては、余計に感じる方もいると思います。
ただこの仕様により、誰が書いても似たような構文になるなどといったメリットもあります。
Pythonエンジニアにおすすめの資格
Pythonエンジニアにおすすめの資格はこちらです。
- Python3エンジニア認定基礎試験
- Python3エンジニア認定データ分析試験
これらはPython3エンジニア認定試験の中の一つで、公式のプレスリリースによると資格試験開始から約3年で受験者1万人を超える実績を持っています。
ここからもPythonの人気の高さが窺えます。
それではそれぞれ詳細(2020年9月時点)を見ていきましょう。
Python3エンジニア認定基礎試験
Python3エンジニア認定基礎試験は、一般社団法人のPythonエンジニア育成推進協会が提供する資格の一つで国内の民間資格試験です。
Pythonに関する基本的な構文等の基礎知識を問う試験となっています。
Python初心者でもきちんと対策できれば比較的合格しやすく、実際に合格歴を見ると独学で学んでいる人や経験が1年未満の人などがいます。
Python3エンジニア認定基礎試験の概要はこのようになっています。
受験日 | 通年 |
時間 | 60分 |
問題数 | 40問 |
出題形式 | 選択式(全て) |
合格ライン | 70% |
受験料金(税別) | 10,000円(学割:5,000円) |
出題範囲としては、基本的に『Pythonチュートリアル 第3版』に掲載されている内容となっており、一般的な知識からも出題されます。
Pythonエンジニアとしてまずはスキルを証明したい初心者の方は、ぜひチャレンジしてみてください。
Python3エンジニア認定データ分析試験
Python3エンジニア認定データ分析試験は、Python3エンジニア認定基礎試験同様、一般社団法人のPythonエンジニア育成推進協会が提供する資格の一つで、2020年春ごろにスタートした非常に新しい資格試験です。
Pythonを使用したデータ分析に関する知識やそれらに関するライブラリについて問われる試験となっています。
こちらもPython初心者であってもきちんと対策できれば比較的合格できるようで、実際に合格歴を見ても経験年数が1年未満の人も合格しています。
Python3エンジニア認定データ分析試験の概要はこのようになっています。
受験日 | 通年 |
問題数 | 40問 |
出題形式 | 選択式(全て) |
合格ライン | 70% |
受験料金(税別) | 10,000円(学割:5,000円) |
出題範囲は、『Pythonによるあたらしいデータ分析の教科書』に記載されている内容がメインとして出題される予定となっています。
初心者でも比較的合格しやすいので、Pythonを使ってデータ領域に携わりたい方にはおすすめです。
最後に
人気のプログラミング言語であるPythonについて特徴や単価感などを紹介していきました。
学びやすさや将来的なことなどを考えると、これからエンジニアを目指すのであれば、Pythonは選択肢の一つになるでしょう。
そして今学ぶのであれば最もおすすめのプログラミング言語といっても良いでしょう。
ぜひ参考にしてPythonについて知ってもらえればと思います。